
「なんとかなるよ」
この言葉をかけられて、思わずモヤっとしたことがある人はいませんか?
私も、かつてはそうでした。
重度の知的障害と口唇口蓋裂をもつ娘の子育ての中で、
どうしても先が見えず、社会の中でこの子はどう生きていけるのか?
毎日が不安で押しつぶされそうな日々。
そんなとき、ある人が言ったんです。
「なんとかなるよ」
その一言が、なんだかとても無責任に感じたことを・・・
今でも覚えています。
「何がどう“なんとかなる”って言うの? 今この状況がわかってて言ってるの?」
そんなふうに、心の中で反発していた私がいました。
でも——。
30年以上の子育てを経た今、
そして支援者として多くのママたちと関わるようになった今。
私は、かつての自分にこう伝えたくなるのです。
「本当にね、“なんとかなる”んだよ」って・・・(笑)
もちろん、「何もしなくてもすべてが都合よく回る」
なんて意味ではありません。
努力も、工夫も、絶望も、涙もあった上で——
それでも、ちゃんと“自分たちなりの道”は見つかっていく・・・
という意味なんです。
あの頃の私は、未来に確実な答えを求めて答え探しをしていました。
でも、障害のある子どもと生きていく道には、「正解」も「平均」もありません。
毎日が、初めての経験の連続で・・・
見えないゴールを手探りしながら進んでいく感じ。
だからこそ、先のことばかりを考えて不安になるよりも・・・
「今日一日を乗り越えた」ことの積み重ねこそが、未来につながっていく
——それを、私はようやく実感できるようになったのです。
ある日、娘が好きな音楽を聴いて、体を揺らして笑っているのを見た時。
私はふと、
「ああ、この子はちゃんと“今を楽しむ力”を持っているんだな」
と感じたことがありました。
社会的な評価や結果ではなく、
“生きる楽しさ”を感じる瞬間があることが、どれだけ尊いことか。
「なんとかなるよ」——
そう言ってくれたあの人は、たぶんそれを知っていたのだと思います。
「支援者」としての立場になった今、私も時折、
ママたちにこの言葉を届けることがあります。
もちろん、状況を無視して軽々しく言うことはしません。
でも、子どもの特性に振り回され、
将来の不安に押しつぶされそうになっているママたちにこそ・・・
私は「大丈夫、あなたはちゃんと歩いていけるよ」と、心から伝えたいのです。
この言葉に救われたママ達も、実際にたくさんいます。
「なんとかなるって言われて、最初はちょっとイラッとしたけど・・・
今、ちょっとわかる気がします」
「未来の保証はないけど、“なんとかしてきた”今があるんです」
そんな声を聞くたびに、私は思います。
“なんとかなる”という言葉は、時間と経験に裏打ちされた、希望のエール
なのだと・・・
だから、今、不安の渦の中にいるあなたも。
今日をどうにかやり過ごせたなら、それだけで一歩前進です。
正解なんてなくていい。自分たちのペースで進めばいい。
あなたも、きっと「なんとかなる」を、実感できる日がきます。
——そして、いつかその言葉を、誰かに届ける日がくるかもしれません。




