日本理化学工業会長の大山泰弘さんの訃報を最近知りました。
何度か講演に行かせていただいたり著書を読んだりさせていただき
会社経営での障がい者雇用主、職業人として尊敬できる方でした。
先日40周年記念式典にお呼びした、成澤俊輔さんも大山さんの
名言を引用されていました。
人間の究極の幸せは
人に愛されること
人に褒められること
人の役にたつこと
人から必要とされること
の4つと言われました。
働くことによって愛以外の3つの幸せは得られるのだ。
私は、その愛までも得られると思う (大山 泰弘)
そして、障がい者の方達が施設で保護されるより、企業で働きたいと
願うのは、社会で必要とされて、本当の幸せを求める人間の証だとも
著書で述べられていました。
また、『働く幸せ』という著書は、村上龍氏も推薦され、著書の帯には
『同情ではではなく、支え合う。そしてお互いに生きる勇気を得
る。』
とも書いてました。
著書の中では、周利樊特と言う高僧の話にふれ、その方はお釈迦様が
修行最高段階の地位と言われる羅漢十六人のひとりに選んだ人物らしいのですが・・・
この方は、何もかもすぐに忘れる人で、自分の名前さえも忘れるほど
だったらしく、今で言う“知的しょうがい者”ではないかと思われる方で、
お兄さんの魔訶樊特から
『お前がいては迷惑がかかるばかりだから、ここをされ』
と祇園精舎から追い出され、門の外で泣いていた周利樊特に釈迦が
『お前にはお前の道がある。明日からこの言葉を唱えながら掃除をしなさい。』
と語りかけ
『塵を払わん、垢を除かん』と言う言葉と箒を与えた のだそうです。
その日から一心に掃除をしている彼を見ると周囲の誰もが手を合わせ
たくなるほど、その姿が尊く気高いものであることから釈迦は、
無言で説法ができるものとして
十六羅漢に加えたのだと・・・
大山さんは、同じ工場で働く障がい者の姿に同じことを感じてきたと
書かれていました。
彼らの中に、見える周利樊特の無言の説法に導かれて、今日まで来た
と・・・。
私も同じことを彼らの中によく『見る』のです。
一心不乱な姿・・・
『時間よ、やめたら・・・』
って言葉にも耳を貸さずやり続ける力・・・
『休み時間よ』
にも
『大丈夫!!』
って根気強く集中する姿・・・
そんな彼らの中に誰にも負けない譲ることのない真の力強さ・・・
そして、その仕事の出来栄えに世間で言う
“上手”では決してないのだけど・・・“凄さ”を感じるの
です。
大山さんも
『働く』とは人に必要とされ、人の役に立つこと
そのために一所懸命に頑張れば
みんなに応援してもらえる。
私はこのことを知的しょうがい者に教えられた。とも書かれていまし
た。
そう・・・彼らの頑張りに刺激を受け、元気をもらい・・・
何かカタチに変えたくなる・・・そんな仲間が集まって
今、まさに実現に向けて活動していこうと・・・
これからがある・・・
大山さんが築き上げてきた半世紀以上のときを・・・
その話を聴いたふれた人たちがこれからに受け継ぎ・・・
そして、次世代へバトンタッチしていけるように・・・
今を生きている人たちが、
頑張っていかないとねーーー。
頑張っていきます。
心よりご冥福を
遠くからではありますが・・・
お祈りしています。 合掌。