
子どもの話をよく聞き、一緒に遊び、一緒に驚きながら好奇心を育み・・・
人と比べず焦らず見守る。
そんな理想の子育て像を、私はちゃんと持っていたつもりでした。
細かいことは気にしない。
「大丈夫、大丈夫」っておおらかに構えている母でいたかった。
本もたくさん読み、知識だって人並み以上にあるつもりでした。
でも――現実は、あまりにもうまくいかなかった。
■想定外の現実に、心が折れそうだった日々
娘は、食が細く、なかなか大きくならない。
部屋は散らかしニコニコ笑ってるし、トイレも覚えない、逃げ出すこともありました。
どうしたら、私の言うことを理解してくれるのか。
どう接したら、少しでも食べて大きくなるのか。
日々悩み、日記をつけて自分の言動を振り返りながら・・・
私は試行錯誤を重ねていました。
でも、思うようにいかない日ばかり。
■「こんなはずじゃなかった」と思ったあの日
ある日のこと。雨の中、急いで帰りたくて車に乗ってほしいのに、
娘は遊んで動かない。
何度声をかけても聞かない娘に、私はつい声を荒げてしまいました。
すると、娘がポケットから一枚の紙を出してきました。
そこには、こんな絵が描かれていたんです。
ニコニコ笑ってるマーク
――もしかしたらこの絵を渡したくて・・・
でもうまく伝えられなかったのかもしれない。
雨に濡れながら・・・
その瞬間の私は、情けなさと申し訳なさでいっぱいで
ポロポロ泣いてしまいました。
■思い描いた子育てにならなかった理由
私の子育てが「思っていた通り」にならなかったのは、
娘が障害のある子だったから――。
でも、私に「理想の子育て感」がなかったわけじゃない。
むしろ、あったからこそ、葛藤も痛みも大きかったのだと思います。
そしてそこから、たくさんの気づきと学びが始まりました。
■失敗してもいい。人間は、やり直せる生きものだから。
あるとき読んだ、ストア派の哲学者マルクス・アウレリウスの言葉が、
私の心に深く残っています。
「やり直す対象を愛せ」
すべてにおいて正しい行動ができなかったからといって、腹を立てたり落ち込んだり
するのではなく、
失敗しても、また戻ってやり直せばいい。
自分の行動の大部分が“人間らしい”ものであれば、それで十分なのだ――と。
子育てって、うまくいかないことだらけ。
思い通りになんて、なかなかいかない。
でもそれでいい。
完璧でなくていい。むしろ完璧でない方がいい、
失敗しても、またやり直せばいい。
むしろ、その繰り返しこそが私自身が「親になる」という旅なのだと思い直しました。
■理想とのギャップに落ち込んでいるあなたへ
「こうなってほしい」と願う気持ちと・・・
現実とのギャップに苦しむのは、とても自然なこと。
でも、あなたが今悩んでいるその姿勢こそが、すでに愛の証です。
たとえ失敗しても、
たとえ「もう無理」と思う日があっても、
あなたが子どもを見つめ、試行錯誤し続ける限り、
そこには確かに“親としての成長”がある。
私自身、障害のある子を育てる中で、たくさん失敗してきました。
失敗が大半の人生です。
でも、だからこそ・・・
その失敗と向き合ってきたからこそ、気づけたこと宝物があります。
■子どもが教えてくれた、ほんとうの“しなやかさ”
子どもは、私に「予定通りでなくてもいいんだよ」と教えてくれました。
「人と違っても、愛されていいんだよ」と・・・
存在そのもので伝えてくれました。
だから私は今、声を大にして言いたい。
子育ては、「うまくいくこと」よりも、「ともに育つこと」。
理想と現実のあいだに立ち尽くしているすべてのお母さんへ。
あなたの“今”が、かけがえのない学びと愛の時間であることを、
どうか忘れないでください。
🔸あなたにとって、子育ての「失敗」とはなんですか?
それは、ほんとうに「失敗」でしょうか?その先にきっと、子どもとあなたを育てる“ギフト”が待っています。




