私達団体の会員の中から
「相模原の事件の勉強会をしたい」
忘れてはならない事件だから・・・・と言っていました。
詳しくどの視点で、どのように?
なんて企画は聞いてはいませんが・・・
あれからも私も様々な報道や記事を見ました。
中には
「報道を見る限り、あの施設はあまり良くない施設なんではないかと思える」
と言っている方がいました。
現場を見ずに報道や記事だけだと
それはそう言う風に思っても仕方ないことなのだ思います。
知らないってそういうことです。
そう見えるTV報道番組があったのを私も知っています。
でも見聞きするだけでは・・・この施設の「本質」は誰も知らない
この施設や法人は、
神奈川県内でも人権意識が高い法人だと聞いたこともあります。
もちろん、すべてができているとも思いません。
できていないところもあると思います。
かといって、それは、どこの施設でも
良いところと悪いところが混在する・・・
そういうレベルのものだと思います。
でも、元職員が、あんな事件を起こしてしまった。
「一体何をしていたの?」
「職員の教育はどのようになされていたの?」
なんて批判が集まるのです。
でも、多くの人は考えたことがないかもしれませんが・・・
もし彼が、私やあなたの施設にいたとしても
きっと同じことをしただろうなーーと思うのです。
つまりは
「どこでも起きただろうと思える事件だった」
ということです。
津久井やまゆり園だから、
特別に起きたわけでもないのです。
ですから、
この施設に何があったのかを思い出してほしいのです。
いきなり大きな事件があり、
訳もわからない中、
自分が慣れ親しんでいる住まいから、
引っ越しを余儀なくされた利用者。
「事件」「引っ越し」非日常的な出来事だけでも、
利用者の心の不安定。
それはそこで働く職員も同じです。
元同僚がまさかの事件を起こしたなか
利用者を必死で守り、亡くなった利用者のご家族にも寄り添い、
マスコミや世間等の対応をし続けてきた。
自分の心身の状態を後回しにしている職員だって、
いたはずです。
そんなときに、周りからは、
どんと後ろからつき押されるように言われてきた
「地域移行」「意思決定」
確かにそう・・・世の中の流れではそうなんです。
でも・・・
「なぜ、今このときに考えなければならないのか?」
「本人たちの心の安定が先でしょ?」
さあーーーこの際だから一気に地域移行へ!
というのはいささか乱暴ではないでしょうか?
利用者を無視しているとさえ思うのです。
利用者の人は、事件や引っ越しなどに
今も何かを感じ、
不安定な生活をしているのです。
ご本人も職員達も利用者のご家族も
事件の後遺症がまだあるときに、
周りがなんでこんなに騒ぐのか?
こんなに色々なことが起きている中で・・・
きっと迷いながらも丁寧に、ご本人を尊重し
今、意思決定支援をしていると思います。
ニュース報道等で感じたことだけで、
津久井やまゆり園を批判的な目で見るのは、
おかしなことではないでしょうか?
本来であれば、
津久井やまゆり園の職員には、ぜひ、
意思決定支援をすることで得られたことを
もっと自信をもって全国に伝えてほしいと思います。
メディアやインターネット等を通じて知りえた情報から、
批判的な部分が目につくことで、自信を無くし、
後ろ向きになってしまわないでくださいね。
もし、この法人が、今、足踏み状態だとしても、
誰も批判することなどはできないはずです。
自分のところで、
事件があったらどうなのだろう?
意思決定支援ができるのか?と考えてほしいし、
今踏ん張っている職員の応援団に回ることが、
そこにいる利用者さん達の幸せになることや、
意思の表出にもつながると思いませんか?
事件の余波は、きっと・・・まだまだあるのです。
同じ福祉をつかさどる支援者なら、
あなたのところも意思決定支援をはじめてほしいし、
津久井やまゆり園の応援団にも
なってほしいなーーーと思います。