
『時間最短化・成果最大化の法則』の中で紹介されている
「壁は乗り越えられる高さでしか現れない法則」という言葉に、
深く共感しました。
秋元里奈さんと木下社長の対談記事を読みながら、
私自身の23年間の歩みを振り返ると、
まさにこの法則を体現してきたのだと気づかされます。
最初の「壁」――娘の障害告知
口唇口蓋裂重度知的障害A2の娘を授かったとき、目の前に立ちはだかったのは、
想像もしていなかった「壁」でした。
世間の冷たい視線、差別、蔑みの言葉。
療育、病院通い、訓練の日々。
当時の私には、その壁があまりにも高く、暗く、果てしないものに見えました。
しかし今振り返ると、あの壁は「私が乗り越えられる高さ」だったのです。
なぜなら、私はその壁を実際に登ってきたのですから。
もし本当に乗り越えられない壁だったら、
娘は私のもとに生まれてこなかったかもしれません。そう考えると、
木下社長の「壁の高さは、あなたと社会との相対性で決まる」という言葉の意味が、
深く理解できます。
「壁」を「階段」に変えた決断
娘が4歳、下の子が8か月のとき、私はフルタイムの養護助教諭として働き始めました。
周囲からは「無謀だ」と言われました。
障害児を抱えながらのフルタイム勤務は、新たな壁でした。
でも、私はこの壁を「娘の将来のために必要な一段」として捉えました。
『時間最短化・成果最大化の法則』で紹介されている
「壁に見えていたものは、一段が異常に高い階段なのだ」という表現が、
まさに当時の状況を表しています。
この一段を登るために、私は「おもいっきりジャンプ」しました。
時間管理を徹底的に見直し、療育と仕事の両立の仕組みを作り上げました。
そして、障害児者コミュニティという「支えてくれる人たち」に出会い、
よじ登ることができたのです。
自己効力感が生んだ「ワクワク」
秋元さんが語る「自己効力感」の重要性は、私の経験とも完全に一致します。
障害児者コミュニティに参加し始めたとき、
私は単なる一人の母親でした。
しかし、相談を受け、悩みを共有し、一つひとつの問題を解決していく中で、
「自分の行動が誰かの人生を変えている」という実感が生まれました。
これこそが、秋元さんのいう「自己効力感」だったのだと思います。
相談件数が2万件を超えた今、振り返れば、一件一件の相談対応が
「異常に高い階段の一段」でした。
解決できない問題、答えのない悩み、行政との交渉、学校との調整。
どれも大きな壁に見えました。
でも、「やらされ感」ではなく、「この人の人生を少しでも良くしたい」という
自分との約束が、すべてを「ワクワク」に変えてくれました。
寝食を忘れてゲームに没頭する人のように、私は相談対応に夢中になれたのです。
差別感と価値観の変容――最大の「壁」
コミュニティで活動する中で、最も大きな壁は、実は自分の中にありました。
自分自身の差別感、固定観念、価値観。
これらは、外部の壁よりもはるかに乗り越えるのが難しいものでした。
しかし、多様な障害児者とその家族に出会い、
彼らの人生に触れる中で、私の価値観は大きく変容しました。
この「内なる壁」を乗り越えたことで、
コミュニティの代表として23年間活動を続けることができ、
3年前には社会福祉法人の理事長という
新たな役割をいただくことにもつながりました。
木下社長の言葉を借りれば、
「三流は壁を避ける。二流は壁を乗り越える。一流は壁を楽しむ」。
私は一流とは到底言えませんが、
少なくとも「壁を楽しむ」姿勢を持つことの大切さは、身をもって学びました。
すべての出来事は「階段の一段」だった
昨年いただいた市の自治功労賞は、私にとって大きな栄誉でした。
しかし、それは決してゴールではありません。
振り返れば、今まで登ってきたすべての壁は、実は「階段の一段」だったのです。
娘の障害告知、世間の冷たい視線、フルタイム勤務との両立、
2万件を超える相談対応、コミュニティの運営、理事長としての責任。
どれも当時は「乗り越えられない壁」に見えました。
でも、登り切ってみると、それは次の一段につながる階段だったのです。
そして、その階段は「私が登れる高さ」でしか現れなかったのだと、
今なら確信を持って言えます。
これからの「壁」を楽しむために
『時間最短化・成果最大化の法則』が教えてくれるのは、
壁との向き合い方、そして時間と成果を最大化する具体的な方法論です。
私自身、この本から多くの学びを得ました。
特に若い世代、障害児者の家族、支援者、
そしてすべての「壁」に直面している人たちに、
この考え方を知ってほしいと思います。
目の前の壁は、あなたが乗り越えられる高さでしか現れません。
そして、それは壁ではなく、「一段が異常に高い階段」なのです。
おもいっきりジャンプして、支えてくれる人の手を借りて、よじ登ってください。
登り切ったとき、あなたは気づくでしょう。
それは壁ではなく、次のステージへの階段だったのだと。
私は3人の成人した子どもの母として、コミュニティの代表として、
理事長として、これからも新しい「階段」を登り続けます。
そして、同じように壁に直面している人たちに、「その壁は登れる高さですよ」
と伝え続けたいと思います。
※この記事は『時間最短化・成果最大化の法則』(木下勝寿著)および秋元里奈さんとの
対談記事にインスパイアされて執筆しました。




