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perfection of mind ~自心に究極の輝きを~

生まれ育った地域の中で、「障害」児・者が共に生き、学び、育ち、それぞれが尊重され、誰もが、幸せを感じイキイキ活動できる地域になることを目指し活動して行(生)きます。

気づけるかどうかで変わる、子育ての深さ

同じ場所にいるのに、違う世界を見ている

「価値観は人それぞれ」とは、よく言われる言葉です。

でも、実際にそれを肌で感じる機会は、意識していないと見落としがちです。

たとえば、外国で育った人と価値観が違うことは、誰でも簡単に想像できますよね。

けれど、同じ学校に通っているクラスメイトや、同じ地域に暮らしている人でさえ、

実はまったく違う価値観を持っているということには、意外と気づきにくいものです。

私がそのことを初めて強く意識したのは、ある人の話でした。


大学生の私が出会った「違う視点」

その方は・・・話しました。

私は青森県の大学に進学しました。

ちょうど入学したのは、地元で「りんご台風」と呼ばれた

大きな台風の被害から間もない頃。

農家に深刻なダメージを残していた時期でした。

当時の同級生の中には、経済的に厳しい状況の中で進学してきた学生も

たくさんいました。

ある友人は「兄弟で話し合った結果、自分だけが大学に進学できた」と

話してくれました。

最初、私は正直こう思ったのです。

「授業料が払えないなら奨学金を借りればいいのに。

生活費はアルバイトで何とかできるのに」

でも、その考えは本当に浅かったと気づきました。

彼らにとって奨学金やアルバイトは「当たり前」の選択肢。

それでも問題が残っていたのは、家業の働き手の不足でした。

農業や漁業といった一次産業を営む家庭では、

高校生の時点ですでに「立派な働き手」として数に入れられています。

進学するということは、その働き手が一人分減ることを意味します。

授業料は借りられても、代わりに人を雇う費用まではまかなえない――

その現実を知ったとき、私は同じ大学に通いながら、

自分がまったく違う視点で世界を見ていたことに気づいたのです。


同じ年齢、同じ場所でも違う「背景」がある

大学には、ギリギリの生活をしながらも学びを続ける学生がいる一方で、

特に理由もなく「就職したくないから」と進学し、

授業にはほとんど出ずにサークルやバイトに夢中になっている学生もいました。

同じ年齢で、同じ教室に座っていても、その「大学にいる理由」は

まったく違います。

どちらが良い悪いではなく、同じ場所にいるのにこれほど価値観が違う、

という事実が、当時の私には大きな発見でした。

子どもの頃を思い出すと、確かに同じクラスにいろいろな家庭環境の子がいました。

会社員の家庭の子もいれば、自営業の子もいる。

裕福な家庭もあれば、そうでない家庭もある。

だからこそ、自然と「違い」に触れる機会がありました。

でも年齢を重ねるにつれて、交わる人は似た生活環境の人になりがちです。

いつしか「自分と同じような価値観を持っているだろう」と思い込んでしまうのです。

と・・・

私も確かに・・・歳を重ねるにつれ・・・大学のとき・・・そんな事

考えていたなーーーって思ったんです。


障害のある子を育てて気づいた「価値観の断絶」

私がもう一度このテーマを強く感じたのは、障害のある子を育て始めてからです。

「障害がある子の親」というだけで、同じ地域に暮らしていても、

他の親御さんとはまったく違う世界に立たされる感覚がありました。

健常の子を育てる人にとっては「普通」の行事や進路が、

私たちには大きな壁になる。

逆に、私たちが必死に向き合っている療育や支援の話は、

彼らには「想像もできないこと」だったりします。

でも、これはどちらかが間違っているわけではありません。

同じ時間、同じ場所を過ごしていても、見えている景色が違うだけ。

私はこの「違い」を受け止められるようになってから、

人との関わり方がぐんと楽になりました。
違う意見や価値観に出会ったとき、「そういう見方もあるんだ」と

一歩立ち止まれるようになったのです。


浅い思考にしないために

同じ場所にいても違う価値観を持つ人がいる――

この感覚を忘れてしまうと、思考はどんどん浅くなってしまいます。

「自分の周りではこうだから、みんな同じだろう」と

決めつけてしまうと、変化にも気づけなくなっていきます。

たとえば、子育ての現場でもそうです。

「普通はこうでしょ」という言葉で片付けられてしまうと、

その裏にある事情や背景は見えなくなります。
でも、少し耳を傾ければ「なるほど、そういう理由があったのか」と

わかることは多いのです。


まとめ ― 違いに気づく力を磨き続ける

価値観の違いは、国や文化の差だけではありません。

同じ地域、同じ学校、同じ職場の中にも存在します。

それに気づく力を持てるかどうかで、

人との関わり方や自分の成長の幅は大きく変わります。

私はこれからも、「自分と同じ場所にいるのに違う価値観を持っている人がいる」

という視点を大事にしていきたいと思います。

そうやって「違い」を見つけ、受け止め、考え続けることで、

自分の世界は少しずつ広がっていくはずだからです。