福祉関係の代表を務める私は
福祉支援事業所などの理事や顧問などの
管理者や行政の役員なども担っています。
よって「障害」児・者はもちろん・・・
スタッフのみなさんや行政の方々とも
それぞれの顔で携わっています。
日常生活でのささいな困りごとから法に関わることまで
様々な問題が相談事で上がってきます。
代表や顧問、理事である私には、スタッフでは処理できないレベルの
トラブルが上がってきます。
切羽詰まったような声で電話してくる方、
事務所にふらっとやってきて泣きながら話して帰っていく方・・・
様々です。
ご本人からの直接の相談もよくあります。
「療育手帳を無くしてしまいました」「財布を落としてしまいました」
どんなに気をつけて対策をとってもとってもなくす子がいます。
事情を訊いてみたところ、近所のショッピングモールに出かけたときかも?
ポケットから落としたのかもしれない・・・とのこと。
作業所が休みの自分時間の出来事です。
とりあえず、いったところへ出向くことにしました。
自宅の前を通りかかったので自宅を訪ねてみました。
そしたら郵便受けに入っていたとの報告・・・
どなたかが親切に届けてくれていたんです。これは・・・
療育手帳のときですが・・・
さすがに財布は出てきたことはありません・・・😢
療育手帳には、自宅の住所が記入されています。
拾った人が、住所を頼りに届けて下さったようです。
もしかしたらご近所の方か・・・彼を知っていたのか?
わざわざ住所を頼りに来てくださったのか?
彼は、戻ってきた療育手帳に大喜びしていました。
「親切な人が拾ってくれて、良かったね」「人の優しさに感謝しかないね」
「自分がもし拾ったら同じようにしなきゃだね」
と喜びと共に伝えました。
彼にはADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が見られ、外出先で私物を紛失してしまうことがよ度々あります。
置き忘れや紛失については、事業所ではスタッフが
日常的に注意や指導をしてくれてはいるのですが、
一人で自由に出歩くことの多い彼に対しては自宅でも限界があります。
こんな時にいつも思うのが・・・地域社会に認められ、
受け入れられることが、福祉施設や「障害」児・者には欠かせなと思うのです。
社会資源をいくつ持っているのか?そこがとても大きい。
療育手帳を拾ったのは、彼がこれがなければ困っているであろうと
察することのできる人なのでしょう。
そしてわざわざ訪ねてきたことを言わない奥ゆかしい人なのでしょう。
そして、もしかしたら郵便受けに届けられていたところを見ると、
彼がこの辺に住んでいることを知っている人かも知れません。
彼が私物を無くしてしまうことは、これからもきっと起きるでしょう。
はい・・・今までも何度も何度も・・・ありました。
その度、駅員さんやショッピングセンター、事業所・・・
それぞれから連絡があっています。
今回は・・・そっと郵便受けに・・・
本当に感謝しかありません・・・
だからこそ・・・これから先も・・・
彼が自由に出歩く意欲余暇を楽しむ意欲を無くしてしまうことは、
きっと・・この地域では起きない。そう思っています。