今回のコロナの事態を受けて考えることは多々あった。
その中の1つに・・・一都市に人口が集中しすぎていることの怖さをがある。
これから住む場所の選択肢を増やす意味でも・・・
今ある資源を有効活用する意味でも・・・
空き家問題解決のためにも・・・一極集中型を考えることは重要だと思う。
様々な地方で活動を実施し独自の空き家対策で
移住者を集めるってことも増えてきました。
「すぐ住める家がある」
そのことは想像以上に移住の決め手になりますよねーーー。
これはここ数年、移住者の増えている町を・・・
取材していた人がわかったことの一つだそうです。
でも空き家は多くあっても、貸主が
「知らない人に貸すのは面倒」
「家の改修にお金をかけたくない」
といった家主の理由から貸し出されない家も多いのが現実。
いわゆる田舎では・・・賃貸物件そのものが少なく、かなり手を入れなければ住めない家も多いのも実情です。
そんな家主の心理を汲んでうまく制度設計に生かし・・・
次々と移住者を受け入れているそんなところもある。
特に若い人の多いのが特徴で、人口もどんどん増加に転じているところもある。
そんなところは一体何が違い・・・何が魅力なのでしょうか?
そこには制度的に面白いことをしているところもあるようです。
「空き家活用促進事業」を開始しているところはたくさんあるはず・・・
市や町が10~12年、家主から家を預かり、最低限の改修をして移住者に貸し出すなどをして・・・
かけた改修費用を回収できた後に家主に空き家を戻したり
この間、家主から金銭的な持ち出しは一切ない・・・とか
町に預けている間は家主に賃料は入りませんが・・・
10年後にリフォームされた家が返ってきて・・・
新たに貸し出すことが可能となれば・・・
ただ10年間放置しておくよりいい。
借りる側の家賃は、月わずか1万5000円。
お試し滞在であれば月1万円。
どんなに立派な家であっても、一律同じ金額なんてことをしたところもあるようです。
改修するのは、主にトイレや浴室、台所などの水回りを基本として、家のゆがみを調整したり、傷んだ畳をフローリングに変えるなど。改修費の上限額は450~700万円程度で、2分の1は国庫の補助金、残り4分の1ずつを県と町で負担
1万5000円の家賃で10年間住んでもらうと家賃収入が180万円見込めるため・・・
町の負担分は全額回収できる。
市や町の持ち出しは実質ゼロ。
貸し出されている家の一覧はホームページに掲載、そうすると並ぶほとんどは
「入居中」で、空いているのはわずかだそうです。
「最初は,空き家があってもなかなか所有者が貸してくれない状況があった。そこで先に何棟かリフォームをして、見える化を図り見せることが大きな実績をうむ・・・あんなにきれいにしてくれるのだったら・・・
うちも貸しますよという感じで・・・家主さんからの申し出が増えていくそうです」
実際に移住した方に話を聴くと・・・
自然が豊かで子育てしやすい環境であることに加えて、
「一番の決め手は住む家だった」
「どんなに環境が良くても、住める家がなかなかない。
空き家はあっても、みんな貸してくれないし、
たまにあってもすぐには住めない状況、相当直さないと入れないとか、
売ってはくれるけれど賃貸はない。
それが安価で借りられるのが大きい。町や市との契約で安心感があるのもいい」
大家さんと個人的なやり取りになると・・・
問題が起きた時に心理的なストレスにもなりやすい。
市や町を間に挟むことで、少しは合理的に話ができるともいう。
また、店舗経営も
町営や市営の建物を1月1,000円くらいで借りられるようにするところもあり
初期投資に100万円ほどの補助が受けられることから開業できる。
でも、本当に大事なのはここから・・・
移住定住コーディネーターの仕事。
市や町の職員がかねてやるのではなく、専任を置くことで空き家の手配から仕事、
移住後のフォローまで一貫してみることをする。
一般的には、移住担当者には地域おこし協力隊などの若い人や移住者自身が就くケースが多いのですが、専任のそのまちの移住コーディネーターがいることは心強い。
「移住対策ですごく大事なのは、じつは移住された後のケアなんです。
移住された後は知りませんという対応を取っていたら、
定住につながらない・・・」
そういう中で県外で働いていた経験もある・・・
地元住民との関係性も強い・・・
田舎のルールを熟知している。等々・・・
何かあったときの交渉力、調整力があることは断然生活が違います。
移住者にとって、慣れない土地の暮らしでは当然、トラブルも起きます。
冬の間、水道管を凍らせてしまったとき、草刈りのサポート・・・
表には出ない細かい仕事の積み重ねがあるからこそと言っていいかもしれません。
魅力的な人材に来て住んでもらうためには、住環境や移住担当者の存在がとても重要。あなたの市や町はどうでしょうか?
空き家の活用は、市や町にいい循環をもたらす1つの引き金になりそうです。
(*1)家の改修費は450~580万円。1982(昭和57)年以降に建てられた物件は耐震改修費120万円および設計管理費60~70万円を上乗せして、630~770万円を上限としている。